NO ZUO NO DIE

K-POPや韓国カルチャーについての研究

THE BOYZのメンバー脱退要求議論を考える

今韓国で大荒れしている新人アイドルグループTHE BOYZのメンバーの態度議論についてまとめたいと思います。

 

THE BOYZとは?

2017年12月にデビューした12人組のボーイズグループ。溌剌とした曲と12人のカルグンム(刃のようにぴったり揃ったダンス)が魅力の新人グループです。

特にメンバーの一人であるジュハンニョンくんは、2017年にWannaOneを誕生させたproduce101のseason2に出演し、(最終の22人まで残りました)デビュー前から人気を博し注目されていました。

現在はシングルアルバム'Right Here'を引っさげてカムバック。活動を精力的に続けているところです。

Right Here

Right Here

この曲、めちゃめちゃ好きです、、

 

騒動の詳細

事の発端は9月23日のV LIVE(インターネット配信)の放送。メンバーのニューとソヌが他のメンバーを無視したり高圧的な態度を取ったり。。ファンとの大切な交流の場所であるV LIVEの過去の放送について「覚えてない」と発言したり。ファンにとっては一言一句が大切で全部覚えてますもんね><

その態度が問題視されたことが始まりでした。

 

そして次に取りざたされたのが、デビュー前のSNSでのソヌの発言です。女性軽視であるとして以前にも問題視されていました。(検索したら出てきますがなかなかひどいです。。)

最近のMe too運動など韓国の社会状況を考えると、完全にアウトな発言です。

 

それにニューのマスター(アイドルの写真を撮ったり活動のサポートを行ったりする人ファンの代表?とような人)がサイン会でハンニョンの家族について馬鹿にするようなことを言ったとか。

この点については当該マスターが弁解、謝罪しています

どんどん2人への指摘が熱を増し、事務所に脱退要求をするまでに発展しました。

 

韓国の大手ポータルサイトネイバーではシルコム(リアルタイム検索)1位に。事務所のフィードバックを皆がまだかまだかと待っていました。

 

事務所の対応

9月27日、THE BOYZの所属事務所であるクラッカーは公式ペンカフェに謝罪文を掲載します。

※ペンカフェとは簡単に言うとファンクラブのようなもので公式が運営する掲示板サイトのようなものです

[공식입장] 크래커 측 "더보이즈 관련 논란 인지, 고개숙여 사과" :: 네이버 TV연예

発表の内容をまとめると、ファンからの指摘を真摯に受け止め、2人と持続的に「対話」をしていくということで、脱退の有無には触れませんでした。

9月28日の音楽番組にも2人とも出演しているところをみると脱退させる気はないようです。

ペンカフェの中でも脱退を求める声は続き、残留を望む声との二極化が進んでいます。今回の件で不思議に思ったのは、会員だけが書き込めるペンカフェの掲示板でも脱退の要求が多いことです。アンチだけじゃないのか〜と言う感じ

 

また、今回の謝罪文は「事務所」が出したもの。せめて2人が直接謝罪文を出すくらいの誠意は見せなければいけないと思います。

 

K-POPにおける過去の態度議論

K-POPファンからすると、こうゆう問題って結構あるある。事務所によっても対応は様々です。

 

JYP

特に衝撃的だったのは人気絶頂の2PMから脱退したパクジェボム。今はヒップホップ界隈で大活躍していますね。

彼は韓国系アメリカ人。練習生時代のSNSでの今で言う「嫌韓発言」で脱退要求を受け、グループを脱退しました。

JYPは実力だけでなく人間性を何よりも重視し、練習生時代からSNSなどの徹底管理を行うことでも有名です。事務所の代表であるパクジニョンのインスタグラムには、

「私たちの会社では私たちだけの原則を基に、それを守り運営しようとしてきたため、アーティストも練習生になった瞬間から厳格な自己管理を要求されます」

「その基準を続けて破る人は、いくらデビュー後でも共にしないという原則にしてきた」とあります。

この件があって管理がより徹底されたのかな。

 

SM

2016年にデビューしたNCTの言わずと知れた「顔」であるテヨンくん。彼は中学生時代に中古品販売サイトで行った詐欺行為が発覚しています。本人は真摯に反省しており、VLIVEでも直接謝罪をしています。

テヨンくんってめちゃめちゃイケメンでダンスが上手いだけじゃなく、圧倒的なスター性があるんですよね。アイドルになるために生まれてきたような。SMもテヨンくんを辞めさせるわけにはいかないし、グループのことを考えても妥当な対応だったと思います。ただ、デビューしたばかりの新人にとってこのレッテルを貼られることは大きすぎる痛手ですね。

 

PLEDIS

 SEVENTEENのウォヌが小学生時代にインターネット掲示板に書いた先輩アイドル少女時代についての悪質な書き込みが問題になりました。これに対しウォヌは過ちを認め、公式に直筆の謝罪文を掲載しています。めちゃめちゃ反省してちゃんと書いてました。でもやはりウォヌの名前で検索するといまだにこのことが出てくるのは悲しいですね。。今の優しいウォヌを知ってるから余計にね。

 

CUBE

記憶に新しい、ヒョナとPENTAGONのイドンの熱愛騒動。2人はTriple Hとしてユニット活動を行っている最中に熱愛が報道されました。事務所が報道を否定したにも関わらず勝手に熱愛を公表した2人は活動を中断させられ、事務所からの解雇を言い渡されました。結局ファンの反発があったからかまだ解雇は決定してないとか事務所が二転三転してるのでどうなったのかよくわかりませんが笑

 

このように問題の内容は違いますが、アイドル業界ではやっぱり色々ある。最近はデビュー前のいじめ問題が告発される事も多く、よく取りざたされます。でも事務所の対応は様々です。その後の対応によって収束のスピードも違いますよね。特にデビュー前のことって判断が難しいのはよくわかります。その上THE BOYZの事務所クラッカーは中小規模の事務所。JYPのようなデビュー前からの徹底した教育や管理がなされていなかったのでしょう。

THE BOYZの件も、私は脱退までさせる必要はないと思います。確かに2人を辞めさせることが「正義」であったとしても、その「正義」が果たして本当に正しいのでしょうか。ハタチかそこらの未来ある少年に態度問題で脱退を突きつけるファンって何なんでしょう?

 

昨年12月のTHE BOYZのデビュー舞台を他のアイドル目当てで行った音楽番組の生放送の収録でほんとにたまたま見たんですが、その時の彼らめちゃめちゃ素敵だったんですよね。生放送の音楽番組でも、多くのアイドルの場合、サノク(事前収録)を行ってから生放送に臨む事がほとんど。サノクしてるアイドルは生放送ではちゃんと踊らない事も多いんですが、彼らはぴったり揃ったガチガチのバキバキのダンスだったんです。もうめっちゃキラキラしてました。そんな一生懸命な彼らの姿が強烈に残ってる事もあって、なんだか今回の事がとっても悲しいです。

今回のことで一番被害を受けたのは他の10人のメンバーですよね。さあこれから、と言う時にこのイメージの失墜は痛い。ファンにも彼らにも、きちんと直接謝罪して、みんなが笑顔でステージに立ってくれる日を待ちたいです。